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旋転定数について
当サイトでは各ペンの特徴や回し心地を慣性モーメントをもとにした独自の「旋転定数」によって明確に数値として表しています。
これを利用することによってペンの購入時や改造時にあらかじめその大体の回し心地が分かることはもちろん、改造時の目安としてや、数値による重量ペンの定義など幅広い応用が可能となります。
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算出方法
旋転定数は各ペンの回りにくさを示すもので、算出にあたってまず全体の重さM(g)、全長L(cm)、重心からペン先までの長さl(cm)、のほぼ一様な細長い棒を想定し、座標を定めます。(図1参照)
▲図1
I=∫(-l, L- l, (M/L)・x^2)dx=M{l^3+(L- l)^3}/3L (g・cm^2)
となることから、
旋転定数:Cs=
M{l^3+(L- l)^3}/1000L・・・(A)と定めます。
※CsはThe Spinning Constantに由来しています。
つまり、Cs=(重さ)×{(重心からペン先までの長さ)^3+(重心からペン尻までの長さ)^3}÷(長さ)÷1000
であり、特に重心が中心にある場合は
Cs=M・L^2/4000と表され、例えば重さ10g、長さ20cm、重心が中央にあるペンではCs=1となります。
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Csによる回し心地
Csによる回し心地の対応は大体以下のようになります。
Cs
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回し心地
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2.0-
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かなり重い
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1.5-2.0
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やや重い〜重い
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1.0-1.5
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やや軽い〜中程度
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0.5-1.0
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軽い
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-0.5
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かなり軽い
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※人によって回し心地は多少の違いが生じるため上の表の対応はあくまで参考程度として、通常は個別に基準となる値を定めてCsをご利用ください。
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追記
上記の(A)式ではペンの内部の質量の偏りには対応できていないという欠点があります。
これを解消するためにM, L, l に加えて新たにペン先側に質量m, ペン尻側に質量m2のおもり(重心からm, m2 までの長さはそれぞれr1,r2とし、Mはm1,m2を含む値とします。)
▲図2
Cs=1/1000{(M-m1-m2)(l^3+(L-l)^3/L+m1r1^2+m2r2^2}・・・(B)
と定めます。
※(B)式では便宜上多少の係数を調節しており、m1=m2=0のとき(A)式と等しくなります。
これによってより詳しくCsの値を求めることができますが、ペンの種類によっては(A)式と(B)式の間に大きく誤差が生じるため基本的には併用できません。(もちろん回し心地の対応表も(B)式には対応しておりません。)
ですから、通常は(A)式での値を基準とし、(B)式の利用はあくまで同様なペンにおける微妙な「差」を求める程度にとどめてください。
(A)式、(B)式のいずれにしてもまだ試験段階にあり、決して厳密な値を求められるわけではありません。このため、今後予告なく式などを変更する可能性がありますが、あらかじめご了承の上、あくまで目安としてご利用ください。
なお、掲示板にて、旋転定数に関する質問や意見、およびペンのデータ(長さ、重さなど)を受付け、募集しています。ご協力をお願い申しあげます。
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